天草四郎物語

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「終わったわ……」 乙姫さんの表情は、まるで世界の終わりを迎えたかの様に暗いです。 ん? 何でそんなに暗い顔なのでしょうか? 確かに戦闘は終わりましたが……。 あっ。忘れるところでした。 この二人が私を罠にハメタんでしたっけ。 危うく忘れるところでした。 「貴方達は、私をあのカニさんの生け贄にしようとしましたね?」 私は少し厳しめな口調でそう言いました。 これは間違いない。変わる事がない事実だ。 「そ、それは……」 亀さんが気まずそうな顔つきで、私を見上げながら口籠もります。 もっと悪役って悪そうに見えるんですがね。 二人はそんな風には見えない。 私は自分の頭の中で考えたことを口にしました。 「さっきのカニさんが、クエストのボスですよね?それにしてはおかしい……。何故、クエストが終了しないのでしょうか?」 先ほども考えましたが、普通ならば、そろそろクエストからのログアウトが始まってもおかしくはない。 それは十中八九、原因がこの二人にあるからだと思います。 「乙姫さん。亀さん。知っていることがあればお話ください」 そうだ。やっと思い出した。 副長は、ブラックアウト三大兵器について調べてこいって言ったんだ。
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