天草四郎物語

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ここに来て脳が覚醒した。 そうだ。私は、副長に頼まれて、ブラックアウトの三大兵器の情報を手に入れて来いと言われていたんだった。 情報手に入れなきゃ! クエスト終了するところだったよ! 危ない。危ない。 重々しい雰囲気の中、観念したかの様な顔つきで亀さんが口を開いた。 「ここにいる私と乙姫様はクエストに閉じ込められた者なのです!」 「クエストにですか?」 そんな話、初めて聞きました。 「私と乙姫様は、元々は知り合いと言うわけではないのですが、それぞれブラックアウトのプレイヤーでした」 なるほど。なるほど。 亀さんの瞳に嘘は感じません。 「私は亀の姿に変えられて、このクエストに閉じ込められました。そして、私と乙姫様には管理者側に一つの命令が与えられたのです」 「その命令とは?」 「クエストに挑んで来るプレイヤー、500人ゲームオーバーにすれば解放してやると」 な、なんて残酷なのですか。 私の心は悲鳴を上げた。 「クエストのルールに従うしかなかった。だからこそ、私達は与えられた物を駆使して、挑戦してくるプレイヤーを陥れた」 なるほど。それで墓場が一つ一つ作られているですか。
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