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「それがあの十字架というわけですね」
私は、少し離れた場所に建つ十字架を指差しながら言いました。
「はい……。あれが500本建つ時、私達は解放されるはずでした」
見て明らかなことだが、十字架達は500の数字には程遠い。
「しかし、思いの外なかなか挑戦するプレイヤーが現れなかったわけですね」
何しろ、こんな辺鄙な場所にあったのでは滅多にプレイヤーが訪れないでしょうからね。
「はい。しかも、戦闘要員ではない私達には、貴方が倒したカニが切り札と同時に最後の砦だったのです。このクエストは特殊な作りになっていまして、初めから裏クエストのようなものですから」
なるほど。一度、倒してしまった物は復元出来ないわけですね。
確かに、表クエストの様な簡単な敵ならクエスト開始時にリセットになりそうですが、あの様に特殊なのは難しいでしょうね。
何か数字みたいなのが入っていたし、特別な敵だったことには間違いない。
亀さんは、気の毒に思えるほど悲しげな表情でこう言いました。
「私達は終わりです」
すると、亀さんは私の顔を真っ直ぐ見てきて話し続けた。
「しかしながら、その前に一つ質問をしてもいいですか?」
「なんですか?」
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