天草四郎物語

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「ああ。これですか」 私は亀さんに指摘された、両目に当てている眼帯にそっと指で触れた。 「貴方は目が見えないはずなのに!まるで全てが見えているようだ!」 「そうですね……。確かにこの目は見えないです。でも……見えているんですよ。はっきりと」 亀さんには話しませんが、目が見えなくなった私は“見える”能力を作り出した。 この能力は、見るために眠る時以外は、常に使い続けなければいけません。 十字架に捕らわれた時、体の中で命力を消費する能力なら使えると気づけたのはこのためだったのです。 私はこの能力によって、以前よりも全体の状況を把握出来る様になりました。 「どうして見えるかは秘密ですがね……」 すると、亀さんは落胆の表情を浮かべました。 乙姫さんは変わらずに、全てを失ったかの様な瞳をしている。 そんな二人に向かって、私は口を開いた。 「私も一つだけ教えて欲しいことがあります。私はクエストクリアのためにここへ足を運んだのではなく、それを知るために来たのです」 その言葉に乙姫さんが顔を上げました。 「ブラックアウト三大兵器のうちの一つについての情報を……」
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