天草四郎物語

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私は、乙姫さんの瞳を真っ直ぐ見ながら続けました。 「そう。ブラックアウト三大兵器。“ヘーラー”の情報が欲しいのです」 ギリシャ神話では、最高位クラスの女神と呼ばれていた存在。 「このクエストに訪れてくる、ほとんどの方々はその情報を手に入れるために来ているはずです。それは私も同じ」 三大兵器のうちの一つ“ポセイドン”は、メビウスの輪が持っていました。 副長から頂いた資料には、確かこう書かれていました。 おそらくは、黒田研究員が書いたであろう記述。 “美しき女神が立つ場所。与えられるのは、至福の癒しか。はたまた地獄絵図なのか。神々しい光の元、全てを照らし出す存在。ヘーラー” 「私はそれだけ知れれば、満足なのです」 何としても、第二の兵器は副長のために手に入れたい。 乙姫さんは諦めたのか、少し俯きながら口を開きました。 「仕方ないですよね。私達は負けてしまったのですから」 やはり……知っている。 乙姫さんは呟くように話し続けます。 「まず、既にご存知かもしれませんが“ヘーラー”はこのクエスト内にあるわけではありません。別の場所にあります」 それはわかっています。 ここには情報だけしかありませんからね。 続き。続き! 勿体ぶらないで!
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