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「私も正確な場所はわかり兼ねてしまうのですが、ヘーラーは“空では無数の星々が煌めく麓、灰色の砂の上に建つ美しく輝いた御殿で眠る”と伝えられています」
煌めく星々?
灰色の砂?
美しく輝いた御殿?
思い当たる限りに考えてみるが、どこだか見当がつきません。
「この情報は、私がこのクエストに閉じ込められた時に手に入れたものです」
不意にある事に気が付く。
んー、そう言えば、このクエストも、竜宮城付近は灰色の砂ですね。
竜宮城も美しい。
ですが、ここは海の中なので、星も無ければ空もありません。
これらの条件が全て整った場所ですか。
メインストーリーだろうか?
それとも別のクエスト内なのだろうか?
帰って調査しますか。
これだけの情報を手に入れれば、副長も満足してくれることでしょう。
「ありがとうございます。もう大丈夫です。亀さん。申し訳ないのですが、私を地上まで送り届けていただいても宜しいですか?」
私の言葉に二人が驚きの表情を浮かべた。
次に、亀さんは不思議そうな顔つきで私に質問してきた。
「私達を殺さないんですか?クエストクリアにならないのに……」
「ん?だって殺してクリアしたところで、何のメリットもないじゃないですか」
それに、こんな幼気な二人を殺すことなんて私には出来ません。
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