天草四郎物語

43/47

43766人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
裏切って、陥れて、泣いて、苦しんで、誰かのためを想って。 彼の気配を感じなくなった後も、私は訳がわからない気持ちで苦しみました。 本当にこれは彼が望んだ道だったのでしょうか? 彼は初めから私達を嵌めるつもりで、共に道を歩んできたのでしょうか? いや、初めはそうだったのかもしれません。 ですが、あの皆で笑い合った日ですら偽りだというのですか? あの笑顔をすら偽物だったと。 それは会ってみなければわかりません。 私は新撰組とのチーム登録から外された。 だから、局長が死んでも生き延びることが出来たんだ。 そんな曲芸が出来るのは、彼がブラックアウトの裏に潜む管理者に近しい人物だから。 生き延びることは出来たのは、私と副長だけ。 私達の目的は変わりました。 以前までなら、ブラックアウトをクリアすること。 そして、私個人としては戦いを好みました。 でも、今は違います。 彼に会いに行くために。 そう。 沖田さんに。 私と副長はゼロから歩み出した。 別々の道を歩み、繋がってお互いがやるべきことをやる。 だから土方副長は、五芒星のうちの一つブルーダイヤモンドへ加入したんです。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43766人が本棚に入れています
本棚に追加