天草四郎物語

46/47

43766人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
──────── 天草様へ 乙姫です。この度は、大変失礼なことをしてしまい、本当に申し訳ございませんでした。 貴方には、何とお礼を申し上げていいのかわかりません。 貴方に頂いたこの命、何よりも大事にしようと思います。 唐突ではありますが、天草様は、まるで太陽の様に輝いた方だと思っております。 貴方の様な方が、この闇に沈められたかの様なブラックアウトの世界を照らし出してくれるのだと信じています。 本来、この玉手箱にはクエストをクリアさせない最後の砦として、老人になってしまう強力な煙を込めるのですが、私にはそれは出来ませんでした。 貴方が生かしてくれたから、私が取り除きました。 貴方に頂いた命。 何が出来るかわかりませんが、生きようと思います。 これはほんのお詫びの印です。 どうぞ受け取ってください。 太陽の様に輝く貴方へ。 決して死なないでください。 乙姫より
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43766人が本棚に入れています
本棚に追加