天草四郎物語

47/47

43766人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
箱の中には小さな箱。 開けてみると、注射器と折り畳まれた説明書。 説明書が入ってるってことは、これはスキルインジェクションですね。 私には、何よりも嬉しいプレゼントです。 説明書は要りません。 能力がわかってしまえば、面白くありませんからね。 自分に加わった新たな力を探るのも、楽しみの一つなのです。 「さあて。今度は本当に帰りますか」 とりあえずクエストから脱出するためにも、まずは歩いてログアウトの出口を探してみますか。 ゆっくりと桜でも眺めながら。 帰ったら忙しいですね。 とりあえずはDIMで電話して、副長にヘーラーの報告をしなければ。 そして、 私の帰るべき場所に帰ります。 そう。帰る場所へ。 五芒星のうちの一つ。 ホワイトマジックへ。 シャルアネット様の元へ。 私と副長は、あえて別々の道を歩む決断をしました。 副長はブルーダイヤモンドへ。 そして、私はホワイトマジックへ。 沖田さん。待っていてください。 ヒカルさん。貴方には新撰組を潰した報復を行います。 「月かあ」 月に桜が生えていたりして。 そんな事があるわけないか。 私はゆっくりと歩きながら桜を眺めた。 多くは語らない。 ただ突き進めばいい。 走り続ければ、いつか求める答えに辿り着くのですから。 ■天草四郎物語FIN■
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43766人が本棚に入れています
本棚に追加