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「…………」
「…………」
うおおお……すんごい虚脱感。
下手にはしゃいでた分、爺さんがいなくなった後の脱力っぷりが尋常じゃなかった。
しばらく俺は、レジでぐったりとしていた。
と、同じようにぐったりしていた後輩が、話をふってきた。
「先輩、退屈だってのは、要は予想通りの事しか起きないから、退屈なんですよ」
「と言うと?」
「つまり、予想外の出来事が退屈を吹き飛ばしてくれるんですよ」
「んなこと言ったって、今日もいつも通りの、客の滅多に来ない、つぶれそうなコンビニに居るって現実は、変わらないだろう」
「―――たとえ、現実が変わらなくても―――」
と、ここでコブシを握り締め天井を見上げる後輩。
「―――僕らには妄想という名の翼があるじゃないですか」
「なに言ってんだお前……」
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