万引き

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万引き

アリクイは、1日に三万匹もの蟻を食べるという。 例え、アリクイから目の前の蟻を助けようと何も変わらない。 アリクイはまたどこか別の場所で、別の蟻を食べるだけだ。 まさに今、僕が直面している事態に似ている。 70歳くらいだろうか。 顎に白い髭を蓄えた老人は、服の中に商品を入れトイレに入ったのだが、恐らくは、万引きだろう……。 このコンビニの出入り口には万引き防止用のセンサーがある。 しかし、トイレにはそれが無い。 食料であれば口に入ればばれないし、そうでなくても袋から取り出し、ゴミをトイレに流してしまえばセンサーは反応しない。 商品を持ち、トイレに入った老人はそれをしようとしている。
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