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「いだぁぁぁぁ!? 咲夜さん、殺すきですか!?」
ナイフが額に刺さったままのシュールな状態の美鈴が叫ぶ。額からはタラリと血が流れている。
「あなたがそんな事で死にかけた試しが無いでしょ。」
咲夜は素っ気なく言うとせっせと箱詰めしていく。 ブーっと口を尖らせた美鈴は痛っと言いながらナイフを額から抜いた。 自然と流血はもう殆どしていない。
「さて、これでこっちは終わったわよ。」
咲夜はぎっちり綺麗に箱詰めした箱に蓋をした。
「あ、私もこれで最後です。」
美鈴も咲夜より雑な箱詰めながらも全て箱詰めを完了させた。
「じゃあ、この箱を倉庫に運ぶわよ。 美鈴、付いてきて。」
「了解です。」
美鈴は箱を持ち上げようとした瞬間、箱の影に一冊の本を見付けた。
よく見るとそれはアルバムのようだった。 美鈴は中が気になり適当なページを開くとある一枚の写真に目を引かれた。
「咲夜さん! これ見て下さいよ! 懐かしい写真が出てきましたよ。」
急に美鈴に呼び止められた咲夜は何よと小さく言いながら美鈴が指差している写真に目をやった。
「やだ、これ私が幼かった時の写真じゃない。」
美鈴が指差した写真は紅魔館の住人全員で撮ったら写真、謂わば家族写真だった。
そこにはお嬢様であるレミリアも妹様であるフランドールも、お嬢様の親友のパチュリーと使い魔の小悪魔も隣にいる美鈴も全く変わらない姿で写っている。
だが、1人だけ今と大きく違う姿の人物がいた。
それは今のようなメイド服では無く、ボロボロの灰色の服を着、ふて腐れている幼き咲夜の姿であった。
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