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「お久しぶりです。」
女は一瞬、何か言いたげに僅かに口を開いたが、直ぐに表情を無くし、応えた。
「久しゅうございますね。郁斗。」
それは感情を無くしたと言うよりは、必死で抑制しているようだ。
郁斗は立ち上がり、真っすぐに女を見た。
「久方ぶりの再会がこのような形なのが悔やまれます。」
「そうですね。」
女も郁斗の真っすぐな瞳に応えるかのように見据える。
「俺は最早昔の俺ではありません。今此処に必要であり、先導者として先を歩かなければなりません。全てを背負うべき人間であり、歩みを止める訳にはいきません。」
「………解っています。」
二人は暫し沈黙した。
周囲の武装した男達は黙って成り行きを見続ける。
「今の俺は、阿魏国第一集、革命軍総司令官、郁斗です。この名の元に、これより貴方を拘束します。」
女は何も言わずに、ゆっくりと目を閉じた。
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