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〈新大陸調査基地〉
新大陸調査基地の中に新設された作戦情報室…
その中は接近してくるゴランド軍の情報で大騒ぎになっていた。
「…無人偵察機の映像によると敵の数は10万以上、そして後方には兵糧などを積んだ部隊があります」
「10万か…とんでもない軍勢だなぁ…どうするか?」
報告を受けた広井秀明(ひろいひであき)陸将は部下の山岡義憲一等陸佐と大森謙吉(おおもりけんきち)二等陸佐と話しはじめた。
「そうですね…此方におびき寄せてFVや17で一網打尽にするのはどうでしょうか?」
17とは17式戦闘機動車のことで、アメリカのストライカーを参考に開発されたものである。
武装は30mm機関砲、同時開発された17式対戦車誘導弾、スモークなどが装備されている。ちなみに30mm機関砲は105mm対戦車砲に換装できる。今回の派遣では両方とも持ってきている。
「しかしそれだけでは不安です。せめてストームかアパッチ、もしくは烈風の支援を付けるべきです!」
義憲一佐の意見に謙吉二佐が付け足した。
「うむ…とにかく航空支援を取り付けることは確定だが車両は囲まれたら大変だぞ?轢くことは出来るが後始末がな…」
そう言うと秀明陸将はなぜか顔が青くなった。他の二人も同様に。
「轢き逃げは部下たちにさせたくありませんな…そうなるとやはり塹壕戦ですな」
「はい。車両は後方での支援射撃としましょう」
「ああ。その作戦でいこう。海軍さんに支援の要請もしなきゃな」
しかし事態はレーダー員の言葉によって急転する。
「大変です!多数の飛行物体が此方に接近しています!このままでは11分後に到達します!」
「馬鹿な!奴等は戦闘機を持っていないはずだ!高射を出撃させるんだ!」
「了解!」
基地内に警報が鳴り響く。隊員達は慌ただしく動き回り、基地周辺には96式多目的誘導弾やガトリング砲が置かれ、スティンガーを構える者もいた。
海軍でもこの状況を探知し、ごうりゅうからスクランブル機の烈風5機がいつでも飛び立てるようになっていた。
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