日本の刃

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〈作戦情報室〉 「第一高射中隊が敵の飛行物体を殲滅しました!」 「ごうりゅうから連絡!1150に対地攻撃を開始するとのことです!」 部下達があわただしく動いている中、広井秀明陸将は冷静かつ的確な指示を出していた。 「偵察に出しているニンジャ(OHー1)を呼び戻せ。歩兵部隊は一旦第二防衛ラインまで後退。烈風の対地攻撃の後は17とFV(89式装甲戦闘車)、15の機甲部隊を突撃させろ」 「了解!」 〈ごうりゅう〉 『こちらブラックウルフ01。発進許可を』 『了解。発進を許可する』 先端に取り付けられたスキージャンプ台で烈風が次々と発進していく。総勢20機の烈風がロケット弾をフル装備してゴランド軍へと向かう。 それはまるで鋼鉄の鳥が獲物を見つけ、襲い掛かかるような光景であった。 〈ゴランド軍先鋒部隊〉 「聞いたか!?ワイバーン部隊が全滅したらしいぞ!?」 「んなバカな。あれは王国の精鋭だぞ?蛮族なんかにやられる訳ないって」 「ホントにそうかねぇ…?」 兵士は何か風を裂く音のような物を聞き、空を見上げた。 「何だありゃあ…?」 その瞬間、前方からいきなり炎が吹き上がった。 その炎は味方を吹き飛ばし、体をバラバラに裂いていた。 「う、うわぁぁぁぁぁぁ」 兵士たちは散々に逃げていく。しかし烈風はそれを許さない。 次々と吹き飛ぶ兵士たち。それはゴランド軍の本陣からも見えていた。
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