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時は平成三年、カバも出歩く午後三時、装甲車の上でラップダンスに熱を上げるムギオ。「俺の夢とは何か違うぞ。かのトルストイがてんかんの時、至極のエクスタシーを【求めた】ように文学の到達点に暴漠たる稜線の限界にも似たイデアの超越的所与性を示唆するフッサールの認識批判学の要求が必然なら、『考える故に我あり』とするデカルトの失敗を見て歪曲性に自我を投棄し真の内的現象の理解をもって時間と現実を瀬戸内春美の胸中をして今この無慌の精神に見いだす以外に夢を取りおさえることは不可能だ!さあ、エレガント・チュチュを脱いでスーツに着替え、現代社会に復帰するぞう!」
おてもやんを口ずさみ、ムギオはまた一つ大きくなっていた。
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