プロローグ

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スポットライトが浴びせられる舞台。きらびやかな衣装。朗々たる声。 そこで繰り広げられるのは、1つの物語。 自分達の住む世界とは全く別物の世界に浸れる、特別な時間。 あぁ、なんて美しいんだろう。 声。表情。動作。その全てに魅了された少年は、知らず知らずのうちに感嘆の溜め息をついていた。 自分と同じくらいの年頃の子までいる。――――すごく輝いてる。 あまりの感動に鳥肌が立つ。 人が創り出す、最高の喜劇。最高の悲劇。 少年は隣で腕組みをして座る父に語りかけた。
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