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「タマ、助けてぇ!!」
「うるせぇ!!」
玉森に助けを求めるが、至近距離でホカホカご飯を押し付けられる。
「あっつ!!!!」
ケラケラ声を上げる玉森はいつの間にか参列者側に回っていて、気がつけば俺は6:1の構図で熱々ご飯を投げられていた。
「なんで俺ばっかり!!」
『宮田…おい、宮田…』
目の前に玉森が居ると言うのに別の場所から玉森の声が聞こえてくる。
俺は見上げた。雲一つ無い晴天の空から玉森の声がする。
『宮田、………ぞ。宮田……』
腹部を襲った突然の鈍い痛みに驚いて目を覚ました。
「さっきからうるせぇぞ、宮田!!」
不機嫌そうな玉森の顔が最初に目に飛び込んできてさらに驚く。
「た、タマ!!」
ひっくり返って素っ頓狂な声を出してしまう。
「うるせぇんだよ、寝言がさぁ…」
えっ…じゃぁ今までのは、ゆ…夢?
「えぇっ!!!!!」
「いきなり何だよ!!」
「タマ、俺たち教会で結婚式上げて…」
「なに言ってんの?どうでも良いけど、寝言で熱い熱いって言ってたぞ?」
「熱い?…あっ!!」
「なに…?」
「ライスシャワー…」
一つ思い出す内に、あのおぞましい経験が頭に浮かぶ。
「ライスシャワー?」
「タマやみんなが俺に炊きたての白米ぶつける…って夢?」
「そうだよ。まさか、炊きたての飯投げられて熱いって…」
「夢で良かったぁー」
ほっとする俺と呆れた玉森がほぼ同時に全く別の意味のため息をついた。
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