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目を覚まして、一番最初に思い浮かんだのはあいつの顔だった。
俺はぼんやりと天井を見つめ、舌打ちをした。
気分は最悪だ。
可愛い女の子の一人でも頭に浮かんでくれればどんなに良かったか。
「ムカつく…」
別にあいつに腹が立ってる訳ではない。
あいつを一番に考えた自分に苛立っているのだ。
今日会ったら、まずは一発殴ってやろう。
それから二度と考えさせるなって言ってやろう。
きっと、あいつはヘラヘラと笑って抱きついて来るはず。
そんなあいつがムカつくクセに、心から嫌いだと言えない自分もいる。
好きじゃない、嫌いじゃない…。
いわゆる普通だ。
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