132人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
∞∞∞
玉森は研究所の一室で助手の宮田を見つけた。
「おい宮田」
「ん?どうしたんだいタマにゃん」
「変な名前で呼ぶな。街のピンチだ、ほら変身するぞ」
それだけで状況を理解したのか、宮田は玉森に近寄ると両手で玉森の肩を抱いた。
「タマにゃん、行くよ」
玉森は静か目を閉じた。
数秒待って、唇に柔らかい物が触れる感覚がして目を開く。
「行ってらっしゃい、魔法少年マジカルタマにゃん」
宮田の微笑む顔を睨みつけ、玉森は服を脱ぎ始めた。
確かにキスをすれば魔法少年マジカルタマにゃんにはなれるが、服装までキスくらいで変われる程好都合なシステムではない。
玉森は毎回宮田の目の前でマジカルタマにゃんの衣装に着替えなければならなかった。
「めんどくさっ!!」
「頑張れタマにゃん、今日は最速タイムが出そうだよ」
「絶対、所長に言って変身システム作って貰お」
なんとか着替え終わった玉森は、武器でもある先端にバナナ(模型)が刺さったステッキを一振りして研究所を飛び出した。
行け、魔法少年マジカルタマにゃん。萌えの力で突き進め。
…続く。
最初のコメントを投稿しよう!