20円

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『値段:20円』 「「「「「「「……………」」」」」」」 余りにも値段が低すぎてドン引きするメンバー。 仕舞いには、「それが宮田の良さだ」とか「全員が高額でも困る」とか、なんとかフォローしようと口々に言い出す始末。 「もういいよ!!」 スマホを横尾さんに押し付けて、メンバーの輪から逃げ出した。 そうさ、どうせ俺は20円の価値しか無いよ!! 「宮田…」 タマがやってきて、拳を俺に突き出した。 「なんだよ…」 「いいから、手…出せ」 言われるがままに手を出すと、タマは空いている手で、俺の手のひらを上向きに直して拳をそこに乗せた。 「な、なに!?」 「本当はタダなら良かったのに、少し価値がついちまったからな…」 そう言って拳を開く。それと同時に何かがカチャリと音を立てて落ちてきた。
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