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∞∞∞
「健やかなる時も、病めるときも、互いを愛し…慈しみ合うことを誓いますか?」
「誓います…」
小さくも迷いの無い口調で、玉森が言った。
隣に立つ玉森は真っ白なタキシードに身を包み、目を伏せ微笑んでいた。
恰幅の良い神父様が先程玉森に訊ねた事と同じことを聞く。
神父様の背後にシルバーの十字架が物々しく鎮座してあった。
俺はこの十字架に…いゃ、神に誓うんだ。
「誓います…」
「それでは誓いのキスを…」
神父様の掛け声で二人は向かい合った。
玉森と視線が重なる。
真っ直ぐ見つめられ恥ずかしくなり、視線を逸らす。
広いチャペル内には誰も居ない。
改めてここには、神父様の他に俺と玉森しか居ないんだと実感した。
恥ずかしがる必要がどこにある。
意を決して向き直る。
玉森は挑発的な笑みを浮かべ、俺を待っていた。
俺は玉森の両肩に手を置きゆっくりと顔を近づけた。
唇と唇が静かに触れ合い、どこからともなくゴーンゴーンと鐘の音が響き渡った。
無事、式が終わりチャペルを出ることに…。
しっかりと恋人繋ぎをした手を確認して、やっと俺の夢が叶ったんだと思った。
幸せそうに笑う玉森の頬にキスをして、外への扉を開いた。
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