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「熱っ!!!!」
メンバーの目の前を横切ろうとした瞬間、俺は突然頭上から降ってきた物体に驚いた。
雪の塊かと見間違える程の塊が頭を直撃したのだった。
塊は白い湯気を立ち込めていて、温度の高さを物語っていた。
「幸せ者だな、このやろう♪」
楽しげな声と裏腹にガヤさんが顔目掛けて投げつけてきた。
声にならない叫び声を上げ、顔についた白い塊を振り払い、やっと投げつけられたものを確認出来た。
「ご、ご飯?」
「ほら、ライスシャワーってあるだろ?」
「そう、だから米を投げてんの」
千賀と二階堂が、炊飯器を抱えしゃもじをセットして、今まさに投げる3秒前といいたげな体勢で構えている。
「待て待て!!ライスシャワーってのは、炊いてない米を使うのが普通って…熱っ!!」
高熱の塊が背中にぶつけられる。しかも結構な強さで…。
「ちょっと、横尾さん!!」
「ライスシャワーだから♪」
悪戯っぽく笑う横尾さんが顔面目掛けて投げてくる。
もちろん避けられる訳もなく、綺麗に直撃する。
「止めてよ!!横尾さんはピッチャーなんだから!!」
「ちげーよ、キャッチャーだよ」
もう投げつけられても米のくっつく違和感くらいしか感じなくなってきた…。
「行くぞ千賀!!」
「おぉー!!」
「ちょっ、熱い!!熱いって!!炊飯器からは反則だよぉ!!」
炊飯器からしゃもじで掻き出し投げて来るニカ千。
確かに何がされてもいいって言ったけど、これは流石にキツいよ…。
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