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玉森の背後に忍びよる影。
それは、ゆっくりと静かにやって来た。
不意に頭に何かを取り付けられた。
「ん?」
玉森はそれを外して眺める。
「猫耳?」
カチューシャの上に黒い猫の耳がくっついていた。
それをなぜ自分に付けられたのか…。そして誰が付けたか大体目星がついてしまい、ため息をついた。
「なんで外すんだよ!!」
背後からの声に振り返ると、そこには不服そうな顔をした宮田の姿があり、睨みつけた。
やっぱり、こいつのふざけか。
「なんだこれ?」
「タマ、付けて。可愛いから♪」
「やだ」
「頼む!!」
「い・や・だ!!」
「タマがこのカチューシャをつける事で、俺の人生が…」
「変わらん変わらん…」
「本当、マジで頼む!!」
何度も断るが、宮田の低姿勢振りは見てて悪くない。ずっと拒み続けて、宮田の反応を楽しむのも手だが…ここは条件を呑んでパシる方向もありだな。なんて悪巧みが思いつく。
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