夜這い

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俺は深い眠りに堕ちた。 ベッドに潜り込み、目を綴じれば直ぐに世界が変わる。 誰もいない、誰も邪魔をしない場所、まさに夢の国を旅している気分だ。 ふわふわと浮かび宙を華麗に舞う。俺は今どこにいるんだろう。 「ん…ふっ…あぁっ…」 不意にどこからか聴こえる甘く艶っぽい声とそれに伴う息苦しさ。 なんだろう、胸の辺りがやけに苦しいや。 「はぁっ…んっ…くるっ…しぃ」 俺は頭を大きく振る事で息苦しさから逃れ様とした、そして思いきって目を開いてみる。 目の前には宮田の顔がドアップがあり、一瞬それがなんなのか理解ができなかった。 俺は驚いて、大声を出してしまう。 「ちょっとぉ、うるさいよタマ」 「うるさいじゃねぇよ!!なにしてんだよ!!」 宮田は俺に覆い被さる様な体勢で微笑んでいた。 「何って…、夜這い♪」 「よ、夜這いって……」 瞬間的に自分の服装と宮田の服装を見比べてしまう。 きっと、俺が気持ち良く寝ている間に宮田がやったのであろう、ジャージがはだけている。そして、宮田は、上半身裸と来ている…。 一気に頭から青ざめて行くのが分かった。状況・体勢・覚悟…俺は今現在、悔しいがこのアホに敵いそうに無い。
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