The season4―探しアイ―

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「準備いい?」 「こっちはオッケ!」 「あと何分ぐらいー?」 「五分!」 飛び交う声。行き交う人々。 私はそこから少し外れて、教室の外でロッカーにもたれながら、その様子を眺めていた。 時計に目を落とすと、確かに九時五分前だった。 どうやら、お客さまが来るまでには何とか間に合ったようだ。 「あゆ」 ちょうど教室から出て来た真樹は、目が合うと隣に並んで私の髪に手を伸ばした。 「ここんとこ、ちょっと崩れてる」 「え?嘘っ!」 慌てて真樹の触れたところに、手を伸ばす。 今日は少しアイロンで巻いて、ふわふわのポニーテールにしてみた。 今朝、すごく時間をかけて作った髪型だ。 「あー、ちょっとほつれてる。トイレ行って直さなきゃ」 「気合い入れすぎじゃね?」 「そんなことないよ!このくらい普通だもん」 「ほら」と、周りにいる女の子に視線を移す。 みんな、いつもの三割……いや、五割増しくらいで髪型に気合いを入れているのがわかる。 真樹は「確かに」と小さく笑って、ロッカーに寄りかかりながら呟いた。 「ま、今日は文化祭だもんな」
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