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私はずっと、真樹に女の子として見られていないんじゃないかって思ってた。
だから真樹は、私と一緒にいてもドキドキしなくて平気で触れたりできるのかなって、そう思ってた。
でも……今も瞳に焼き付いてるのは、赤く染まった真樹の顔。
都合良く解釈しすぎなのかもしれない。
それでも、"もしかしたら"って思ってしまうんだ。
もしかしたら……真樹は私のこと、ちゃんと女の子として見てくれているんじゃないかって。
それなら、私にもまだ望みがあるから……。
繋いだ手をそっと見つめる。
伝わってくる真樹の体温が心地良くて……色々聞きたいのに、言葉が消えていく。
温かくて……もういいやって。
ただこの温もりが消えなければいいやって、それしかなくて。
湧き上がる温かな想いが全部、この手を通して君に伝わってしまえばいいのに。
私は今にも溢れそうな想いに、真樹の手を握り返した。
"大好きだよ"って想いを込めて――……
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