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「ねぇ…美晴、ここに座って。」
ダブルベッドの上には、風呂上がりの昴が、何故か、正座していて、俺にも、強要する。
「…なんなんだ、昴?」
「籍入れてから、3ヶ月も、経っちゃって、今更なんだけど、やっぱり、きちんとしなくちゃね。」
「…だから、何?」
「えっと。…私は、今日、無事に、谷口美晴との結婚式を終えました。
今日からは、谷口昴として、あなたのために、生きていきます。
ふつつか者ですが、よろしくお願いいたします。」
昴は、それこそ、着物でも着てたら、すごく様になるんじゃないかっていうぐらい、深くて綺麗なお辞儀を、三つ指を付いてしてくれた。
「…あ、いや…俺こそ!…よろしくお願いします。」
なんか、俺も、しなくちゃいけないような気がして、お辞儀する。
もういいかなって、顔を、ちょっと上げたら、昴と、視線があった。
「クスクス…はるったらぁ…おかしいの。」
「…笑うなよ。」
そのまま、軽く唇を重ねた…。
「…はるっ…抱いて…。」
恥ずかしそうに言う昴が、可愛いくて、愛おしい…。
「おいで、昴…。」
腕の中に、飛び込んで来る昴を、優しく抱き留めてやる…。
「…愛してるよ。世界で一番、昴を愛してる。」
二人の長い長い一日が、もうすぐ終わる…。
朝になったら、二人の新しい日々が始まる…。
それまで…短い時間だけれど、二人の愛を確かめよう…愛し合おう…。
「…美晴…大好きよ…私も、世界で一番、あなたを、愛してるわ…。」
俺達は、幸せの階段を、登りはじめた。
繋いだ手は、永遠に、離さないよ…絶対に。
〔Fin〕
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