ep.0 This is Destiny?

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今、僕には大きな大きな2つの問題がある。 先ず、一つ。 同じ大学の、同じ講義を受けていたクラスメート(?)が死んだこと。 正確には殺されたこと。 そして、もう一つ。 なう。NOW。今。 今のこの状況。なう。 いつも何気なくボーっと渡る長い橋がある。 今日だって、死んでいったクラスメートのことを考えたり考えなかったりしたりして、自転車を走らせていた。 丁度、長い橋の中間辺り。 どこからともなく現れた女の子に、告白、された? うん。えーっと。 「はぁい回想終了!」 「早いわね。約5秒くらいよ」 「それは確かに早い」 目の前に立つ女の子。 とは言っても17歳くらいかなあ。 軽くウェーブがかかった金髪に、黒い短めのワンピース。 袖無しのワンピースから見える白い肌からは、インドア派の印象を受ける。 装飾されたハイヒールの効果で、背は高めに見える。 「えーっと、あの」 「なに?」 「まだ状況が読み込めていなくて」 「なに。もう一回言えばいい?」 「いや。多分意味な」 そして、彼女は端正な顔立ちを一切崩さずに。 「私、貴方に初恋したわ。つまりは、貴方のこと好きになったってこと。貴方には素質があるのね多分」 この台詞は繰り返し三回目。 笑顔もなければ、嫌そうな顔もしない。 だから、こっちも更にどうしたらいいかわからなくなる。 「返事は?」 彼女の栗色の瞳が、呆けた僕を映した。
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