ep.0 This is Destiny?

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「おおっと危ない!」 絆されかけてるぜ僕! 落ち着け。 確かに人生20年間生きてきて、こんな劇的な告白は無かったさ。先ず告白がなかったさ。 だけど! だけどだ僕。 名前も知らないような子に、「イエス! 喜んで!」なんて言っちゃいけない。 第一恋愛っていうのは、甘酸っぱい青春の代表だ。 これじゃあ謎すぎる! 「えっと。待て」 「待つわ」 「ぼ、僕の名前はご存知?」 「に見える?」 「見えません……」 デスヨネー。うんうん。 「僕の名前は、」 「ちょっと待って」 「え?」 今度は彼女に制止をかけられる。従う。 「その情報は、今必要かしら?」 「必要だろ。ええそりゃあもう」 「どうして?」 「…………え?」 僕の頭上に疑問符が浮かび上がっ「何故?」 何故って、そりゃあ。 「名前も知らない相手と、付き合える訳なくないっすかね……?」 「付き合う? 私達が? 何故?」 「はあ?」 彼女の栗色の瞳は、先程以上に口を大きく開けて呆けた僕を映す。 「ちょ、ちょっと待って……え?」 これじゃあまるで、僕が勘違い男みたいじゃないか。 「キミは、僕に告白してきた。間違いないよね」 「ええ。初恋よ」 「うん。で、キミは僕に何を求めてるの?」 「返事」 「うん。イエスかノーでしょ? 要は付き合うか付き合わないか」 「それは違うわね」 「はぁ?」
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