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「私はただ、貴方に初恋しただけよ。確かに今私は、貴方が好き。だけど、付き合うか付き合わないかは関係ないわ」
「おおう……? うん。つまり、付き合う気はないと」
「先ず次元が違うわ。私にはそれは必要ない」
もうつっこむのも面倒くさくなってきた。
「うーん………じゃあこの場合。僕はキミになんて返事すればいいんだ」
「イエスかノーよ」
「…………イエスかノーか」
何か違う気がする。
「何を迷っているの? 素質があるかもしれないのに。名誉なことでしょう?」
「いや、確かにキミみたいな美人さんに告白……? というか、まあこういう状況になることは、名誉だよ。特に僕みたいな平々凡々な人間にはね」
彼女が首を傾げる。
僕も斜めに首を傾げる。
もう彼女の栗色の瞳は僕の視界に入らない。
「だけど、だけどだね」
「ええ」
彼女は頷く。僕は俯く。
「そうですね。とは言えても、イエスとは言えない」
うわあああ「何勘違いしてんだこの野郎!」とか言われて蹴られたりしそう!
「………初めてだわ」
「え?」
「初めて、断られた」
「え。そりゃあまあ、初恋なら………申し訳ないけど……」
ってか断った訳では。
「101人目にして初めてよ……貴方、素質があるだけでなく、面白いわね」
「………………………ワッツ……?」
え、やだなー空耳?
「ひゃく、いち?」
え、え。何が? 何が101人目なのねえ!
「初恋相手よ。貴方が101人目よ」
「……………………えぇ?」
ゆめ?
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