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 言ってしまえば終わる関係。  でも言わなきゃ、何も始まらない。 「ったく、バッカじゃないの!」 「荒れてるね、千尋」  休憩室で吸うタバコがこんなに不味いと思ったのは久しぶり。  イライラして灰皿に吸殻を捨てる。  缶コーヒーを一口飲むと、口に残ったタバコの名残でさらに不快感が広がる。 「なんであいつってあんなにバカなんすか?」 「あいつって、鈴木さんのこと?」 「そうですよ、信じらんない!」  晴子ちゃんに愚痴っても仕方ないってわかってるけど、そう言わずにはいられない。  二畳ほどの狭い休憩室に私と晴子ちゃんしかいない。  あるものも自販と灰皿、空気清浄機、あとはそれぞれの荷物を置く整理棚だけ。  扉の開く音がして私たちは腰を浮かせる。  “愛と夢を売る不思議な王国”が私たちの店。
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