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休憩室の前にある暗証番号を打つ機械のボタンを押すのが憂鬱だった。
だってそこにいるんだもん。
アリエナイって。
暗証番号が合ってる合図がして扉を開く。
「お疲れ様です」
「お疲れ」
そっけないやり取り。
仕方なく彼から離れた椅子にコーヒーを買ってから腰かける。
と言っても二畳程度で離れるもない。
「雪野さん」
名前を呼ばれただけで自分の名前が特別なものに聞こえる。
やっぱり私はこいつが好きだ。
「なんですか?鈴木さん」
「いや、またコーヒー?」
「悪いですか?」
口を開けば憎まれ口しか叩けない。
素直になれない自分が嫌い。
まともに顔が見れなくて俯くしかできない。
恥ずかしい。
二人きりなんて気まずい。
誰か入ってきてよ。
「別に、そんなのばっか飲むと太るぞ」
「っ!、関係ないでしょ」
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