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「お前たちが今想像したのは浪江だろ」
「あ!葵もそう思った?やっぱり浪江先輩だよね」
ケラケラと笑う茜を葵は鼻で笑って冷めた声で吐き捨てた
「馬鹿かお前は」
馬鹿に…された…
「はぁ!?じゃあ浪江先輩以外に誰がいるのよ!?」
同じように考えていた栞が食い下がる
「あの人ほど適任な人って中々いないじゃん!!何が馬鹿なのよ!!」
「その固定観念(こていかんねん)が馬鹿だと言っているんだ」
「…はぁ!?」
栞の声が裏返る、栞がこういう声を出す時は本当に分からないときだ
葵もこれ以上は無駄だと思ったらしいく、はっきり宣言した
「童話は素晴らしい選択だと思うさ
だが、お前たち役者が全く持ってダメだ」
「「!!」」
栞はこれ以上ないくらいに目を見開いている
正直私も驚いている
まさか葵の批判の中に今の私たちならともかく、役者のことが入っているとは思わなかったからだ
驚きで言葉を発せられない私たちを構わず葵は話し続ける
「私の台本が始めて通ったあの舞台の後に言ったことを覚えているか?
時代的感性というのは変わってしまうと言ったはずだ
それは役者を当てはめてもズレが起きると私は言った」
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