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「それに付け足すのなら変わらないのは外見で人を判断することだ」
葵は白雪姫のイラストを見てしみじみ語り始める
「白雪姫は心も美しく綺麗な女性だ。だからこそ、この白雪姫の役は美しい心を持った人物にして欲しい」
パタンッ…と部屋に音が響いた
「だが、私の見立てではそれに当てはまる役者は今の演劇部にはいない」
「!!…ちょ…ちょっと待ってよ!!な、何言ってんの!?浪江先輩こそ当てはまるじゃない!!」
少し動揺を抑えつけた栞が反論する
「だいたい今の演劇部にいないって何!?やっちゃいけないっていうの!?」
「童話は素晴らしいと言っただろ?やるなとは言わないさ、ただ私は台本を書かない。それだけだ」
「なっ…!!…じゃ、じゃああんたは何が不満だって言うのよ…!!」
栞は落ち着き払って言おうとするが、戸惑いと動揺を隠しきれない
「……」
そんな栞を葵は鋭い目で見る
栞はそんな葵を睨む
「…お前は、いやお前たちは本当に浪江みきが白雪姫に相応しいと思うか?」
「…何よそれ…」
「私は聞いているんだ、答えろ」
「…相応しいと…思うわよ…けどあんたはそれが気に入りらないんでしょ!?」
ふて腐れながら栞が言う
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