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「…お前は?」
「え?私?…ん~…私は」
葵と栞が話していたから
まさか自分に振られるとは思っていなかったせいか、少し戸惑った
「自分は蚊帳(かや)の外だとでも思っていたのか?お前も役者だろ」
「…あ~…うん…私は…なんて言うか
…心の美しさまでいくと、浪江先輩は、ちょっと…微妙~、かな…って」
「!!」
栞が茜の方を驚いた顔で向き直る
「それはどうしてだ?」
葵は嬉しそうに笑う
今、笑える状況じゃないと思うけど…
「なんて言うかな…腹黒いって言うの?優しいんだけど、たまに策略みたいに思うし…
本当、なんだろう?人を利用するのが上手い…っていうのかな」
あの人は一見優しくみえるが、それはその場しのぎだったり、自分の為だったりする
浪江先輩はそういう人だ
「そう!!そこなんだ!!」
葵がこれ以上ないくらいに微笑む、そして栞の方を向くと得意げに話し出す
「お前は本当にあの女が白雪姫に相応しいとでも思っているのか?ないな、いや全く持ってない。私が小人なら真っ先に逃げ出す。」
葵はケラケラ笑った、すると次の瞬間冷めきった声で言い放った
「お前は童話を馬鹿にしているのか?」
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