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「童話は他の演劇と比べて難しい。
人の感情自体難しいと言うのに、童話はさらにややこしくなる。
もし私にまだ話しがあるのなら、童話のことをもっとよく知ってからにしろ。
一々面倒だ。
今言ったことも伝えておけ。」
「……」
茜は言われた意味が整理出来ず、その場に立ち尽くしていた
そんな茜を葵はまるで馬鹿とでも言いたげに見た
「それに書いてある。だがお前は読むな。それは栞への手紙だ。」
「……な…葵も一緒に来てよ!!手紙なんかじゃなくてちゃんと口で言えばいいじゃん!!」
「私はここにいる。」
「でも!!」
葵の目がさらに鋭く冷たくなる
「私は帰れと言ったんだ。追いかける必要はあるか?」
「…もういい!!」
茜が反論しないと確かめると葵は栞の持ってきたアイスをビニールから出した
「全く、まるで小さな女の子だな」
葵はアイスの袋をバリッと裂くと、急いでスポーツ用の靴下を履く茜に言った
「こうも伝えておけ。お前たちは演劇をしたい訳ではない。ただお姫様になりたいだけだ。」
葵は勢いよくアイスを頬張った、その時、アイス棒がチラッと見えた
「早く行け。」
アイス棒はアタリだった
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