え、だから

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「…ただいま」 「…ん~」 葵はソファにデレンとだらしなく座っていた 相変わらず本を読んでいる、さっきと変わっているとすればリビングにいることだ エアコンの効いた、涼しい部屋で 「栞に渡して来たからね」 不機嫌に茜が言い捨てた 「あぁ。」 さっき栞から聞いたことを話すべきだろうか… 『帰れ。』 …余計に話しを拗らせるだけか 茜は大きなため息をつくと葵の前を通り過ぎた 「オムライス」 「……は?」 茜が後ろを振り向くと、相変わらず葵は本を読んでいた 空耳か?と、しばらく無言で立ち尽くしていると葵が面倒臭さそうに口を開いた 「オムライス」 「作ったら何かいいことあんの?」 葵はやっと本から目を離し、茜を睨む 「台本を書いてやる」 「……」 茜は今来た道を戻り葵の前にあるテーブルにバンッと思い切り手を叩きつけた 「な、なんで!?だってさっき嫌だって!!」 「あの企画が嫌なだけだ。」 「だったらなおさら気になるよ!?なんで急に」 葵はいつも以上に据(す)わった目だった 「そんな企画でも、あのボケ(部長)が承認したんだ。提案自体は汲(く)み取ってやる。以上だ。」
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