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葵は言い捨てる
「だがオムライスを作らないのなら書かない。」
茜が卵を焼いていると葵が独り言を言い出した
「明日の体育は長距離」
茜は耳を傾けていた
……また始まったか
葵はたまにこのように独り言をブツブツ言い出す
このことを葵はこう話す
『思考が一定の所まで行くと、頭の整理のために余計なことが口から漏れるんだ。』
葵がこうなると、私は黙って聞いている、一時的なものだから
葵はまた独り言を言った
「茜。」
「……ん?」
と思ったら呼ばれた
茜はリビングにいる妹をキッチンから見る
葵は本を閉じていた
我に返ったのか?そう思い、ソファに近寄る
「私は、この世に絶対は無いと思うんだ。」
葵がゆっくりと茜を見た
「…なんだ?」
「え…あ、またやってたよ」
「…そうか」
そう言うと、葵はまた本を開く
茜は、キッチンに戻った
氷みたいに冷たく鋭い葵も暑さにやられるみたいだ
「…やっぱり夏は嫌い」
今日のことと言い、さっき栞から聞いた話しと言い
今、葵がつぶやいた言葉も
「……」
私の心とキッチンには黙々と黒い煙りが立ち込めた
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