0人が本棚に入れています
本棚に追加
テーブルには焦げ茶のオムライスと黄色いオムライスが並んでいた
もちろん葵が手に取ったのは黄色だ
私はしぶしぶ残った焦げ茶にケチャップをかけた
「…それで?」
「ん?」
「…栞と何を話した。参考程度に…むぐ…聞かせろ」
「!!?…な、なんで?」
「台本の…むぐ…参考だ」
「…とりあえず食べながら話すのやめなよ、ご飯の後でもいいでしょ?」
葵は口にめいいっぱいオムライスを詰め込んでいる
このまま話し続けたらこぼれるぐらいに
そしてこの食べ方は、私とそっくりそのままなのだ
だから今日みたいに母さんが遅くに帰って来る日は二人して口を結んで食べている
葵は少し睨むが、いつもの威圧感が全くない
「…これを食べ終わったら、私は部屋に篭る。早く話せ」
「えぇ!?なにそれ!!じゃあ私は何も食べるなって言うの!?」
オムライスを飲み込むと葵はさっきとは違い歯切れよく言い捨てた
「食べるのか?それを。」
「ぬッ!!」
…くそ…
「って言われても、どこから話せば言いんだろ?…色々あったし」
「…お前の話しなんて…むぐ…始めから聞いても分からない。どこからでもいい。話せ」
「……」
…こいつ…嫌い…
最初のコメントを投稿しよう!