え、だから

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「栞ね、浪江先輩に頼まれたんだって」 「……。」 「ん~…それで、栞、引き受けたんだって…楽しそうだし、葵も童話好きだし大丈夫だろう…って」 「……。」 葵は相変わらず無言でオムライスを食べている…茜は話し続けようとすると ダンッ!…と痺れを切らした葵がテーブルを叩いた 「…私が聞きたいのはそこじゃない。なぜ栞が了承したかだ。」 「…え!?」 「…普通に考えてみろ。…あのクソ生意気な栞が…むぐ…なぜあんな腹黒女の頼みを了承すると思う。」 やっぱり夏でも葵は葵だ、痛い所をついてくる 「…いや~…それは」 「まぁ、さしずめ浪江が部長に惚れてるとでも…むぐ…言った所か。」 ガッタンッッ!!と椅子を盛大に揺らし、飛び上がってしまった 「……あ…葵どっかで聞いてたでしょ!!?」 「私が帰れと言ったんだ。追いかける必要は無い。 ……それに誰がこんな暑い日に外へなど出るか。」 「…う、うん」 葵はまたオムライスを飲み込むと、ありえない量をスプーンで掬(すく)い頬張る 「…顔が赤いぞ。私が外に出ないのは今に始まったことではないだろ。一々怒るな。」 「ちっ違う!!…そうじゃなくて…ほら…照れるじゃん…」
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