え、だから

11/11
前へ
/57ページ
次へ
「屁理屈(へりくつ)だな。」 と吐き捨てられた 「…うッ…」 だが、へこたれずに茜は過程を話し出した 「でも栞、浪江先輩のこと応援したいんだって!!だ、だから葵が言ってた白雪姫の例え話しだって…!!」 葵は何も言わず食べつづける 「……」 なんでこんなに無関心なんだろ 童話のことなのに、演劇のことなのに 友達のことなのに 茜は少し迷ったが、決意して言った 「…今回の企画…栞、泣いてまで通したかったんだよ…だから」 「……。」 葵は頬を膨らませたまま茜を睨んだ 「……」 「……。」 「…なんで黙ってるの?」 「……。」 茜の声など聞こえていないかのように、変わらず葵は無言で睨み続ける 「………何?」 さすがに不可解に思い、茜は葵の顔をまじまじと見た 葵の喋りづらそうな口が少し動く 「…お前は…本当に馬鹿だな。」 葵は一旦(いったん)飲み込み、更に残りを流し込むように水を飲んだ 「……」 茜は突然馬鹿と言われた意味が分からなかった だいたい栞の話しをしていたのに自分が馬鹿と言われた 「……」 「……。」 葵は無言で立ち上がると部屋を出て行った
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加