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「屁理屈(へりくつ)だな。」
と吐き捨てられた
「…うッ…」
だが、へこたれずに茜は過程を話し出した
「でも栞、浪江先輩のこと応援したいんだって!!だ、だから葵が言ってた白雪姫の例え話しだって…!!」
葵は何も言わず食べつづける
「……」
なんでこんなに無関心なんだろ
童話のことなのに、演劇のことなのに
友達のことなのに
茜は少し迷ったが、決意して言った
「…今回の企画…栞、泣いてまで通したかったんだよ…だから」
「……。」
葵は頬を膨らませたまま茜を睨んだ
「……」
「……。」
「…なんで黙ってるの?」
「……。」
茜の声など聞こえていないかのように、変わらず葵は無言で睨み続ける
「………何?」
さすがに不可解に思い、茜は葵の顔をまじまじと見た
葵の喋りづらそうな口が少し動く
「…お前は…本当に馬鹿だな。」
葵は一旦(いったん)飲み込み、更に残りを流し込むように水を飲んだ
「……」
茜は突然馬鹿と言われた意味が分からなかった
だいたい栞の話しをしていたのに自分が馬鹿と言われた
「……」
「……。」
葵は無言で立ち上がると部屋を出て行った
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