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そんな時に、葵が演劇部に入部した
なんで入部したのか、今でも教えてくれない
「ただ、なんとなく。」
いつも、毎回、それだけ言って話しを終わらせる
そんな何を考えているか分からない葵が、演劇部に変化を起こした
葵が入部してから一ヶ月、先輩たちの考えを押しのけて出した台本があった
元々あった劇を今いる部員に合わせて作ったものだった
先輩たちや同級生の何人かは反対したけど、今の部長が面白いからやろうと採用した
各教室のHRで伝えられ、それを演じた場所は空き教室だったが
教室は満員、見事に学生達の心にヒットした
演じていた私たちにも実感出来るほどの歓声だった
だが不満を持つ人達もいる
そのことで葵は先輩たちに非難された
「私たちが作って続けてきたことを壊さないで」
「入ったばっかのやつが偉そうにするな」
ようするに先輩としてのプライドを傷付けられたことを怒っているにすぎない
葵は心底どうでもよさそうに窓の外を見て話しを聞き流していた、が
「お前は物語を殺してる」
その時、いつもめんどくさがりで物静かな葵が始めて先輩たちに向き直り
声を張り上げて言った
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