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「「は?」」
栞と私は二人同時に同じ言葉を発した
確かアメリカではこう言うとき「ジンクス!後でソーダね」とか言うらしいが
…栞の顔を見て、やめた
そんなことは構わず葵はまた本を読み始める
「人の話しも聞かないで、なにが気に入らないのよ!!」
先に啖呵(たんか)をきったのは栞だった
「あんた時代を再現して欲しいんでしょ!?これなんかいい機会じゃない!!」
栞がまた葵と本の間に滑りこませ紙を見せ付ける
「楽しいわよきっと!!童話だって作者の日記でしょ!?」
栞が猛烈にアピールするたびに紙がカシャカシャと鳴る
「……」
葵が鬱陶(うっとう)しそうに栞を睨むが
そんなこともお構いく栞は話しを続けた
「『文化祭!プリンセス劇場!』楽しいわよきっと!!シンデレラに白雪姫!美女と野獣に眠れる森の美女!あ~!!もう!!考えただけでわくわくしない!?」
栞のスイッチが入った
栞は昔から童話の中のプリンセスに憧れている
いつもは、生意気でツンケンしてる栞だが
童話の話し、おもにプリンセスなどが出てきたら、もう誰も止められない
いやむしろ小さな女の子になると言ったほうがいい
文字通りの小さな女の子だ
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