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にょっす!
暑い、夏は嫌いだ
だから私はエアコンの効いているリビングから声を張り上げて、2階にいる双子の妹、葵に伝言を伝える
「葵~!今日昼間に栞(しおり)来るって言ったでしょ~!」
「…ん~」
聞こえているらしいが、理解してるのかよく分からない返事だった
頭が良く、冷静で鋭い葵もたまに抜けているときがある
ちょうどこんなに暑い夏の日なんかが一番抜けてたりする
茜がリビングのドアの前で騒いでいると、遠くにいた栞が言う
「いいよ茜、私が葵に頼みがあって来たんだし。ほらアイス買ってきたから」
「え?あぁ、大丈夫だから!葵~!栞来てるってば!待ってるよ~!」
「…ん~」
2階から降りてくる気配がしない
きっとエアコンが効いてる部屋から出たくないんだろう
私達はリビングにいるが、ここにだってエアコンは付いている
が、あいつはきっと
部屋(涼しい)→廊下(暑い)→リビング(涼しい)
の過程をすることが嫌なだけだろう
…まぁ、それは私もだが
「……葵ぃ~ッ!!栞来てるぅ~ッッ!!ねぇ~ッッ!!栞来てるッッ!!しぃ~おぉ~りぃ~がぁ~」
バシッ
「うっさい、いい加減聞こえてるでしょ」
栞に頭を叩かれた
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