草むしりと美人

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無駄に広い校舎では賑わった声が聞こえてくる。 体育館ではバスケでもしてるのかボールの叩く音がして、近くのベンチには最近の流行りの話題で盛り上がってる女子たちが見える。 とまあ、お昼休みに俺がやってるのは軍手とビニール袋を抱えながら、せっせと汗水をたらして草むしりをしていた。 こう見ると真面目で頑張っています的なオーラを漂わせてる高校生みたいだが、動機は不純。 もてるため。 ん~、何か興味本位で話し掛けてくるような奇特な女の子と仲良くなって、薔薇色の高校生活を送ろうと目論んでいたのが最初だった。 ……今更だけど、そんな女の子いるわけないよね。 草むしり初めて二ヶ月。始めは変な人を見るような視線が今では風景の一部として周りの生徒から俺は認識されていた。
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