草むしりと美人

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うん、正直ね。 目的を掲げといて、予期せぬ事態にショートしただけなんだ。 だって、本当に綺麗なんだよ。 適当に電車内で読み耽ってニタニタと笑いながら読む携帯小説で出てくる美少女キャラ並に…… 仮に彼女とすれ違ったら、うほっ以外の人なら、彼女がいようが奥さんがいようが振り向くかもしれない。 有り得ないよね?だから俺に話し掛けるなんて……うん、ないね。有り得ないよね。 「えっ!?何で草むしりをそのまま続行するの?」 どうする?やっぱり答える? ゆっくりと息を吸って吐く。 そしてもう一度、大きく吸って……。 「おねにはなしかけにゅはじゅない!!」 「ごめんなさい、ほとんどわかんなかった」 ……抜いた草と一緒にゴミ袋に入ってしまいたい。
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