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それから、二ヶ月程家には重い空気が流れた…
鬱状態になってしまった美智子は実家に帰ってしまった…
正治も憔悴し、働く気力も無くなっていた。
しかし、仕事を辞める訳にもいけないので、何とか仕事をし家に帰り風呂に浸かり、普段は飲めない缶ビールをウサ晴らしに呑みながら、ニュースを見ていた。
どうやら、近くの河原で女性のバラバラ殺人事件があったと何を考えるでもなくぼーっと見ていた。
正治は歯を磨こうと洗面台に立ち鏡を見ると鼻毛が出ている事に気が付き、やれやれと思いながら指で引っ張ってみた。
その瞬間、鼻の奥に激痛がはしった。
それでも無理矢理引っ張ると…
髪の毛程長い『毛』が詰まっていた…
そしてその中に白い球を見つけた…
恐る恐る、『毛』を避けて行くと…
ギョロッと眼球がこちらを凝視し、政次は言葉を失った。
すると足元から声が聞こえる…
そこには唇が落ちていた…
私の、この目玉は、いくらなの…?
気が付くと、辺りは暗くなっていて目を凝らして見るとそこには、バラバラになった人間が落ちていた…
正治は立ち上がる事も出来無くなり、病室で一生を終えた。
しかしベットの横には静かに、妻の美智子が側にいた…。
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