お隣りさん

2/2
前へ
/4ページ
次へ
私の家のお隣りさんは、私んちと違ってすごくあったかい家族だ。 家族みんな仲がよくて、にぎやかで、ご飯はいつも一緒で___。 私は、このあったか家族がすごい憧れだった。 そんなとき、隣の二つ年下の男の子、李緒(リオ)が夕飯に誘ってくれた。 「一人で飯食うんだったら、うちこいよ」 少し照れ臭そうに言いながらも、私のことを気にかけてくれたことがすごくうれしかった。 「……いいの?」 「俺ん家、人数多いから一人増えてもかわんないよ」 李緒の言葉が本当に嬉しくて涙がでそうになった。 「ほら、来いよ」 そうやって、李緒は手を差し出してくれる。 私は、その手を思いっきり握りしめ「ありがとう」とお礼を言った。 それから、私は夜ご飯はいつも李緒の家で食べることになった。 憧れだった、あったか家族にちょっとでも入れたことがすごくすごくうれしかった。 李緒、私に居場所をくれたのはあなた。 __本当にありがとう。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加