1、始まりは突然に

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 一瞬目を細め、……また視線を逸らす。 「またそういう話かよ……。知らね」 「おいおいマジかよ勿体無いなあ」 「知らないなら教えてやるよ、紅い月ってのは――」 「はいはい、さっさと帰るよ和希。鞄持ちなさい」  遮るように入ってきたのは、二人の幼なじみである、《原 夏輝》。  校内一の美少女と名高い彼女は、しかし告白されるだとか、そんな青春らしい体験がない。  というのも、 「ほらほら、早く!青空もボーッとしないの!」  と、勝ち気な性格に加え、大方の認識では、和希もしくは青空と既にくっついているものだからだ。
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