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一瞬目を細め、……また視線を逸らす。
「またそういう話かよ……。知らね」
「おいおいマジかよ勿体無いなあ」
「知らないなら教えてやるよ、紅い月ってのは――」
「はいはい、さっさと帰るよ和希。鞄持ちなさい」
遮るように入ってきたのは、二人の幼なじみである、《原 夏輝》。
校内一の美少女と名高い彼女は、しかし告白されるだとか、そんな青春らしい体験がない。
というのも、
「ほらほら、早く!青空もボーッとしないの!」
と、勝ち気な性格に加え、大方の認識では、和希もしくは青空と既にくっついているものだからだ。
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